일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면

아오조라 문고

家中は残らず旅装をととのえ終った。荷梱は馬の背に、弓道具は扈従の手や肩に、そして先発から供の末まで、門外に出て、すでに隊伍を立てていた。

雨雲の低い空を望んで、頻りに馬が嘶き合う。供頭は、駈け歩きながら、

「雨具は用意したか」

と、注意をくばり、ふたたび門内を覗いて、

「こよいは、星明りだにない。それに降り出せば、悪路となろう。松明はすこしよけいに用意されたがよいぞ」

と、誰やらへ呶鳴っていた。

職責上、供頭の声だけが、やや張りを帯びているだけで、鉛のように重くるしいものが、家中全体をおおっていた。箇々に見ても、さむらい達の面は、こよいの空のように暗澹としていた。険をふくんだ眸、涙をたたえた眸、悲痛な光を潜めた眸、悶々としてものいわぬ眸。

――たれの目もかれの目も、決して、平静ではない。

そのうちに、光秀の声がした。大玄関前の駒寄を離れて、一塊の騎馬の影が此方へ流れて来る。

「なんの坂本までは、見えているほど近い距離。一雨あるとも、一鞭の間に着いてしまう。――懸念すな。懸念すな」

案外明るい主人の声を聞いて供の面々は、却って意外な気がした。

この日の夕方。