후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
天野源右衛門も口をそろえて、
「――御両所のいわれた通り、そう観じて参りますと、もはやわれらには、ただひとつの理由にあらざる理由しか考えられませぬ。すなわち年来わが御主君にたいして事ごとに邪視あそばしておられる信長公の執拗きお憎しみが……ついに、ついに、かくばかり露骨となられ、事ここにいたらしめたものであると。――われら、明智家の輩は、いまはそう観念のほかなき心地に追い詰められておりまする」
ここで三名は口をつぐんだ。
これ以上、云いたいことは、山ほどあった。
たとえば、甲州打入りの際、諏訪の陣所で、主人光秀に飲めない酒をむりに強いて、酒興のうえとはいえ、廻廊の板敷へ面を捻じ伏せて、
「きんか頭。きんか頭、飲め」
と衆人稠座のなかで御折檻のあったことや、安土の城内でもしばしば同様な辱めを加えられて来た例や、或いは、日頃といえ、光秀といえば目のかたきに嘲蔑し憎悪されている実証が他家の侍たちの中にすら語り草になっている空気だの、思い出せば限りもない。
けれど、今日以前のことは、改めて告げるまでもなく、主人の光秀とはほとんど一心同体といってもさしつかえない一族中での一族、左馬介光春が知っていないはずはないので、政孝も源右衛門も敢えてよけいな言は吐かなかったのである。