후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
ひとみを凝らすと、京都の町も、暁闇の底に、見えないことはない。だが、老坂や三草の丹波堺をふりむくと、まだ鮮明な星が数えられた。
「や、死骸だ」
「……ここにも」
「おっ、彼処にも」
道はすでに京都の西七条の入口に近い。東寺の塔の下までも、所々の藁屋根や森を除く以外、右も畑、左も青田、いちめん露をおびた耕地であった。
その道傍の松の根方や、往来の真ん中や、いたる所に死骸が倒れていた。みなこの近くの農民らしい。茄子の花の中へ、眠っているような顔を伏せて、笊を抱いたまま一太刀に斬り殺されていた若い娘もある。
血しおは今こぼされたばかりに見える。朝露よりも新しい。思うに本軍の前を先駈けして行った天野源右衛門の手勢が、早起きする農民たちの姿を田や畑に見かけて、大事のためには代えられじと、その無辜を愍みながらも、逃げるを追って刺し殺し去ったものにちがいない。
地に鮮血を見、空に鮮紅な雲を仰いだとき、光秀は、手の鞭をやにわに挙げて、
「本能寺へいそげ。本能寺を覆い包め。――光秀の敵は、四条本能寺と、二条妙覚寺の内に在るぞ。行けッ、行けっ。踏みおくるる者は斬るぞ」
鐙の革も断ち切れんばかり鞍腰上げて絶叫した。