후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
新介は何気なくその柴の束把をくずして左右の腋へ抱え込もうとした。
すると、その囲いの中で、
「……あっ?」
という人間の声がした。
見ると、敵ではない。――味方も味方、御一族の織田源五郎長益だった。
戦いをよそに、ただ一人この中に柴をかぶって潜んでいたものらしいのである。この人は、信長の舎弟にあたる者だが、信長とは似ても似つかない「怖がり坊どの」であった。どうして武門になど生れたろうかと、不平ではなく、腑甲斐なき自分をつねに自分で嘆いているおひとでもある。しかし非常に気心がよく出来ている人間なので、信長も愛し、信忠もこの叔父は立てていたが、今暁以来、よほどびっくりしたものとみえ、軍中にも影も見せず声もしなかったので、いずれ逸早くどこかへ逃げたものとのみ皆思っていたらしかった。
「…………」
新介は、気のどくで、その人のすがたへ何も物がいえなかった。くずれた柴をもとのように積み直して、ほかの方へ向いて行った。
――あさましいお人ではある。
彼は心のうちで源五郎殿を蔑んだ。一瞬は唾棄してやりたいような憤りすら覚えた。……が、こんもり茂った木蔭の下の古い石井戸の口をみると、鎌田新介は無自覚に足をとめていた。