후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
又学舎
光秀はさすがに民衆の心理を察して、まだ本能寺や二条城のけむりが墨の如く天を蔽っているうちに、全市へ向って、軍令をかかげた。
それによって、市民は事態の真相を知り、愕きもしたろうが、また安心もしたらしいのである。――そして、家々みな戸をあけると、用のない者まで辻にあふれ出し、あちこちの風聞を耳に拾って歩くのであった。
「立たないで下さいっ。歩いて下さいっ。見ていたっておもしろいものじゃない」
「水を撒きますぞ。退かないと泥水がかかりますぞ」
又学舎の門人たちは、門前にたかって覗きこんだり、塀の穴をさがしている弥次馬を追うのに、大汗をかいていた。
「閉めてしまえ、閉めてしまえ。もう怪我人もこれ以上は収容できない」
玄関わきで、べつの門人がどなっている。
見わたすと、なるほど、広い邸のうちは、庭も屋内も、板敷もところ狭きまで、うめき声と、負傷者のすがたで埋まっている。
ここは白河道へ通じる松原の一角で、市民は、又学舎とよび慣れているが、庭園の柴門には翠竹院の板額が見えるし、講堂には、啓廸堂の額がある。
あるじの曲直瀬道三が、その著書「啓廸集」を脱稿したのは天正二年のことである。