후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
暫く黙っていて、自分で自分の心の中をみつめるように、じっと頭を垂れ、やがてゆっくりと首を右へ左へと振った。
「ばかを云うな」と六郎兵衛は喉で云った、「こんな姿になって、このうえ劬りや憐憫を乞おうというのか、おい六郎兵衛、しっかりしろ、きさまあんな青二才の憐憫が欲しいというのか、なんだ、くそっ、あんなあまったるい声を出す野郎より、いっそ石川兵庫介のほうがよっぽど男らしいぞ」
六郎兵衛の躯がぎくっとちぢみ、その顔ぜんたいがすさまじく歪んだ。石川兵庫介という名で、両眼を突き潰されたときの苦痛を思いだし、それがなまなましく全神経に反射をよびおこしたようであった。
――原田甲斐を呼びとめたときだ。
場所は源助町だった、と六郎兵衛は思った。原田甲斐を呼びとめたとき、石川と島田市蔵があらわれた。それから汐止の堀端へいった。堀は水がいっぱいで、荷足船が二艘もやってあり、その上で船頭たちがなにかしていた。
――船頭の中に白髪の老人がいた。
その老船頭がこっちを見た。と六郎兵衛は思った。こちらのようすが異様なのに気づいたのだろう、白髪の老人がなにか云い、その二艘の船の上にいた、他の船頭たちも立ちあがってこっちを見た。