후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
と甲斐は穏やかに云った、「都合によってわれわれも、江戸番や番明きの延びる例は少なくありませんからね」
「御老職はかくべつでございましょう」
「そうでしょうか」と云って、甲斐は微笑した、「――いずれにせよ、米谷どのに御意見があるでしょう」
六左衛門がたち去るとき、その顔に不審そうな表情があらわれるのを、甲斐は認めた。六左衛門もまた、金兵衛が一ノ関の手の者だということを知っているのだ。したがって甲斐の意見が、一ノ関の不当を庇っているように聞えたのであろう。
――つまらぬことだ。
金兵衛の在不在など、まったく問題ではない。大事は雅楽頭忠清の胸三寸にかかっている、忠清の胸三寸を打破するという以外に、もはや大事を救うみちはないのだ、と甲斐は思った。柴田外記も関心はなかったのだろう、一ノ関の要求どおり、金兵衛の帰国は延期されることになった。
それから中三日おいて、三月二十一日に、仙台から古内志摩が出府して来た。その日は陸奥守に目見をせず、柴田外記と二人だけで、深更まで密談した。翌日、志摩は板倉邸へ出頭し、内膳正の質問に答えた。同席したのはやはり土屋但馬守で、質問は外記に対するものとほぼ同じだった。