후리가나로 읽는 일본 고전
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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
吉川 英治의 治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,609자 · 362화면
わいわいと、指さしているうちに、町方同心が、指図をする。捕手たちが、そこらの舟へ飛びうつる。竿で突く、鉤を投げる。
「――はてな?」
丈八だけは、その人々が、みんな視力の錯覚にかかっているように見えた。で――何気なく、そこを離れて、橋袂から、欄干にかけて、背中ばかり並べている群集の空地を見ると、今、捕手たちが追い込んで来た元の方へ、ふところ手にして、にやりと、笑いを歪めながら戻ってゆく男がある。
ごくッ……と、丈八は、喉に生唾をつかえさせた。似ている! と思う直感と、たしかに! という直感と、一時に、十文字に、胸をつきぬいて、大きく心臓が呼吸した。
場所――地の理――尾けまわして、ちょうと、黄昏頃。
どこの仮巣へ帰るのか。
祭りの赤い宵空に、夕月の映るを見ながら、竹屋河岸の酒屋の軒ばを出て、ぶら、ぶら、と火除地の桐ばたけを、一角は、よろめいて行った。
(よしっ、今だ)
と見て、丈八が、
「待てっ。一角っ」
と、するどく、ぶつけて、突嗟に、前へ突っ立つと――分らない――朦朧と靄でも隔てて見るように、
「だ、誰だ」
「酔をさませ。木村丈八郎だ」
「来たかっ、丈八」