후리가나로 읽는 일본 고전
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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
吉川 英治의 治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,609자 · 362화면
二
「仁介の家へ近づく手段はわけはない。鳥沢を通る浪人は、たいがい彼の部屋に泊まる者が多いそうで、仁介もそれを自慢にしているという事じゃ。――合力を乞うふりをして、そこへ泊まれば様子がわかるが、もし、合力をうけに行くのは気まずいと思うなら、わしが、その男を知っている知人から、添え状を書いて貰っておく。何せい、早いがよい。早速出向いてごらんじゃい」
まさか、まだ二日や三日で、と思っていると、その翌日彼が行った時には、もうちゃんと鮎川の仁介へ宛てた紹介状も貰っておいてあるし、べつに、一封の金を餞別のしるしにと言って包んで出した。
その日も、笛を習うつもりで、八寒嘯をたずさえて行った三五兵衛は、少しまごついて、早々に平六に見送られて帰った。
二
甲州路も大月あたりの風はかくべつに思った。凍てついた道を戞々と踏んでゆく馬のひづめから、サッと砂まじりの粉雪を顔へもってくる。
きのうが寒の明けだと道で聞いたが、左に見る岩殿山のヒダにはまだ深い雪がいつ消えそうもなく光って見え、往来の樹木の梢には、陽の高くなるまで氷柱の花がついていた。
大月から猿橋へかかって、桂川の渡舟に姿を見せた三五兵衛は、その渡舟には乗らないで、小篠という村の道をたずねた。