후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
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深閑として、午前の陽を受けている。このサナトリウムに沁みわたるように鐘が鳴った。九時、診察の知らせである。この病院では軽症患者は医局まで診察を受けに行くのが慣わしであった。
鐘が鳴ると、そこここの病棟から廊下伝いに、或は遊歩道の芝生を越えて集って来た患者が、狭い待合室の椅子に並んで、順番を待っていた、第三病棟からは私を入れて例の四人だけが廊下伝いに行くのだ。
広い廊下の片側にずらりと並んだ病室の中には、老いも若きも、男も女も、様々な患者が、ジーッと白い天井を見つめていた。その人たちは私達が歩いて医局まで診察を受けに行くのを、さも羨しそうに、眼の玉だけで見えなくなるまで見送るのであった。マダム丘子は、そんな時、わざと活溌に廊下を歩き、「オハヨウー」と大きな声で看護婦や、顔見知りの患者に呼びかけるのだ。
医局に行ってみると、もう四五人の人が来ていて、銘々肌ぬぎになって順を待っていた。
「どうぞ……」
「そう、じゃお先きに……」
マダム丘子は、するっと衣紋を抜いて、副院長の前の椅子にかけた。
「いかがです」
「別に……」
きまり切った会話しかなかった。