후리가나로 읽는 일본 고전
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
国枝 史郎의 猫の蚤とり武士(ねこののみとりぶし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,496자 · 368화면
年は三十に近いであろうか。
名は梶子と云うのであった。
(まあ民弥様がおいでなさる。姉小路様のお供をして、江戸へ来られたとは聞いていたが、ここでお見かけしようとは)
思慕に堪えないというような眼付きで、梶子は民弥に見入っていた。
その梶子という年増女に、見入っていられるとは夢にも知らず、民弥はソロソロと歩き出した。
菊女を追って萩丸の一行が、山門の方へ歩いて行くのを、民弥は従けて行くのであった。
と、梶子は立ち上がった。
いくらかの鳥目を牀几へ置くと、急いで茶店から外へ出た。
これは民弥を追うのらしい。
その梶子は茶店を出る時、同じ茶店の隅の牀几に、これも腰かけて茶を飲んでいた、編笠を冠った浪人らしい男へ、チラリと合図の眼まぜをした。
と、その浪人も茶店を出て、ずっと梶子とは離れながらも、梶子の後から従いて行った。
もし誰かが編笠の中の、浪人の顔を覗いたなら、左半面に黒い痣が、ベッタリと出来ているのを見、おそらくゾッとしたことであろう。
入谷田圃で紀州藩士に味方し、鵜の丸兵庫と刀を交じえた、あの浪人がこの男なのである。
名を刃三十郎と云い、最近京都のある方面から、梶子に対する附け人として遣わされたところの男なのである。