후리가나로 읽는 일본 고전
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
菊池 寛의 真珠夫人(しんじゅふじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 289,296자 · 578화면
内臓が、外部からの劇しい衝動の為に、内出血をしたことが余りに明かだった。
医学の心得の少しもない信一郎にも、もう青年の死が、単に時の問題であることが分った。青年の顔に血色がなかった如く、信一郎の面にも、血の色がなかった。彼は、彼と偶然知己になって、直ぐ死に去って行く、ホンの瞬間の友達の運命を、じっと見詰めている外はなかった。
太平洋を圧している、密雲に閉ざされたまゝ、日は落ちてしまった。夕闇の迫っている崖端の道には、人の影さえ見えなかった。瀕死の負傷者を見守る信一郎は、ヒシ/\と、身に迫る物凄い寂寥を感じた。負傷者のうめき声の絶間には、崖下の岩を洗う浪の音が淋しく聞えて来た。
吐血をしたまゝ、仰向けに倒れていた青年は、ふと頭を擡げて何かを求めるような容子をした。
「何です! 何です!」信一郎は、掩いかぶさるようにして訊いた。
「僕の――僕の――鞄!」
口中の血に咽せるのであろう、青年は喘ぎ喘ぎ絶え入るような声で云った。信一郎は、車中を見廻した。青年が、携えていた旅行用の小形の鞄は座席の下に横倒しになっているのだった。信一郎は、それを取り上げてやった。