후리가나로 읽는 일본 고전
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
菊池 寛의 真珠夫人(しんじゅふじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 289,296자 · 578화면
二
無邪気な妻は夫の図星を指してしまった。指さゝれてしまうと、信一郎は却って落着いた。
「うっかり忘れていたのだ。今日は専務が米国へ行くのを送って行かなければならないのだった!」
彼は、咄嗟に今日出発する筈の専務のことを思い出したのだ。
「何時の汽車? これから行っても、間に合うのでございますか?」
静子は一寸心配そうに云った。
「間に合うかも知れない。確か二時に新橋を立つ筈だから。」
そう云いながら、信一郎は柱時計を見上げた。それは、一時を廻ったばかりだった。
「じゃ、早くお支度なさいまし。」解き物を、掻きやって、妻は、甲斐々々しく立ち上った。
信一郎は、最初の冷たい言葉を云う代りに、最初の嘘を云ってしまった。その方が、ズッと悪いことだが。
二
その日の音楽会は、露西亜のピアニスト若きセザレヴィッチ兄妹の独奏会だった。
去年から今年にかけて、故国の動乱を避けて、漂泊の旅に出た露西亜の音楽家達が、幾人も幾人も東京の楽壇を賑わした。其中には、ピアノやセロやヴァイオリンの世界的名手さえ交っていた。セザレヴィッチ兄妹もやっぱり、漂泊の旅の寂しさを、背負っている人だった。