후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
遮るように云うものがあった。
「――それでは棟梁をどうなさる?」
松岡長吉はその声に向って、急にぶるぶると怒り、小柄な身体をけだもののようにふくらました。云いかけたものはそれに気づいて口をもぐもぐさせた。――棟梁送りはどうなるんだ、と、わかりきったことを咎めていたのだ。しばらく睨めていた松岡は、うん――と、くびれた顎をしゃくった。忘れたわけでもないものをまるで失態のようにつつかれると、彼の自尊心は火のようにのぼせ上るのだ。そして彼の腹のなかでは、どうしてくれようという狂暴なものが頭をもたげ、よしと、その方法もきまってしまった。あてがい扶持の低い家禄のものとして、余裕のないその日その日は、気の持ちようまでもぎすぎすさせ一図にさせたのだ。ひびき渡る声で彼は云った。
「拙者が、送ってつかわす」
額に血がのぼったにちがいない。そこへ夕映えが赤くぎらぎらときらめいた。彼は跳ねあがったのである。彼の両の掌は、へっぴり腰を立てた酔眼の棟梁を殴りつけていた。交互にぱたぱたと、霰れのように、肉の鳴る音がひびくのだ。何かを呻いてげっと俯伏せになる酔漢の腰をけとばしていた。