후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
六
六
そういう女の喚きは、いろいろな思いを不意に凍えさせた。人々は一斉に、冷たい風あおりを喰ったように呼吸を飲むのであった。その不自然な静寂のなかで、つづいて起るべきことに構えていた。このままでは済まないのだ。いよいよその瀬戸まで来たと思う雰囲気は、濃い霧のように捉えどころなく、しかし確実に彼らの上に蔽いかぶさっていた。
彼らは頭を垂れた。各人それぞれ全く異った自分だけのことを考えていた。それをどこからか覗かれているのではないかと針のような神経を立て、涸いた気持でぬすむようにあたりを見まわした。
漠然と眼をあげた阿賀妻も、どうして生き抜こうかと考えていたのである。けれども彼は、その視野からついついと外れて行く幾つかの顔にも気が付いていた。
すると目がはっきりして、ここまで苦楽をともにした家中のものが、遠く近く、座を取り替えたように思われた。一番とおいところに――われから後退りして行ったようなものに玉目三郎がいたと憶った。その朋輩の一列には――と、俯向いて目をつぶって、安倍誠之助というのがいたと思うのだ――こういうときになってむっくり存在をあらわす、黙っていられない男。