후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
八
「恐れ入ります」と阿賀妻は云った。
「そう――」と邦夷は気づいたように云った、「ご足労じゃが、この足で直ぐに、江戸へのぼって貰えまいか」
阿賀妻は顔をあげて邦夷を見つめた。
「万事よろしく」
「かしこまりました」
阿賀妻はそう云って、手をついて顔を伏せた。しばらくそのままの姿で、身じろぎもしなかった。
邦夷は独り言のように附け足したのである。
「躊躇しているときではない――」
八
邦夷の胸には朧ろな焦慮があった。内の状勢がこうであった。そして外には、彼らの意志が追い越されつつある。開拓使は新しい方針を樹てて日ごとにそれを実行にうつしている。
それらはすべて東京が本拠になっていた。ここに政府の意志と現地の意向が持ちだされ、論議され、そして決定された。
――東北の大きな藩の背後におしやられ、そこで微かに呼吸づいていたような阿賀妻らも、あちら――人跡未踏の北海道にあっては、百数十名の集団は大きな存在であった。彼らが開拓の方針に身をささげようとしている限り、政府もまたこれを見棄てることは出来ない筈だ。すでにサッポロ本庁との間には諒解ずみになっている懸案を、名は出張所であるが、実はそこに長官もいる東京で、最後の決定を得なければならぬのであった。