후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
或いはみずから求めて曠野を跋渉した意気のなかには、彼らの主君である邦夷を中心として、封土と人民を私有した古い関係を、新しく再現し得るかも知れぬという幻想があったのかも知れない。そう――誰か彼らの家中のものも、形骸と化した主従の関係をつづけていると難じたこともあったのだ。そこに政府があらわれ、廃藩につき土地と人民を引き渡せと要求したならば、誰がそれを拒み得よう。拒むことは出来ないのだ――と、そう観じたとき、多くを語らぬ邦夷の胸のうちが、語らぬままにいよいよ明瞭に音たてて響いて来るのであった。もはや話すべき何物も残っていなかった。結びついていた家中という観念がばらばらにほどけて、じーんと耳の底にその音が聞える。
やがて、改めてこの事実を人々の前に語らねばならぬだろう。
日の出る前のすっきりした明るさになっていた。冷たげな白いうす霧が地に匐って、遠くに棚びいてみせる。
阿賀妻は立って戸口の話しごえを聞いていた。
「との――」と呼びかけているのは祐筆であった。
「はやいのう」と邦夷はほがらかに答えていた。
「早うのうて」と老人は笑って、「そこでお願い申しあげますが、女房ども、今日のこのお祝いに参列をお許し願いたいと申しまして、身どもまで申しのべてまいりました、いかがなものでございましょう、別段、女人禁制と申すわけでも