후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
暫らく男らはそれを眺めていた。たいがいのところを見て取って大野が云った。
「さいわいにこの固雪で、一直線に行けば道も近い、さアさア」
彼は先に立った。大きな荷のため幾らか前こごみになってかたい雪の上に出た。門田がつづいた。高倉はそのうしろをのろのろと歩いていた。小走りに追い越した安倍の家内にも気がつかぬようであった。彼と彼らの間はだんだん離れていた。
高倉は思いに耽って歩いていた。あの吹雪の夜が明けて彼だけが生き残っていた。そのことが胸に閊えているのだ。そしてまたあの次の夜、壁一重隔てた道具置場で喚き立てた男のこえがまだ耳についていた。自分が正当な生き方をしていないような気がした。若い肉体は恢復したが若い精神は癒えないのだ。この虚しさは、なぜか、彼の家中に於ける位置にも共通していると思われて来た。何か漠然と、捉えどころはないが、そぐわないものが感じられてならぬのであった。彼の頭はぼんやりしていた。それは、頽れた家臣団に忍びよった何かの囁きであったかも知れぬ。高倉の環境は、自分でものを考えるようになったときには実際に既に喪われていたのであった。その隙間に吹きこむ風を、彼のわかい年齢は防ぐすべを知らず、充分に教えられてもいなかった。