후리가나로 읽는 일본 고전
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がらすどのうち
硝子戸の中
夏目 漱石의 硝子戸の中(がらすどのうち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,702자 · 105화면
二十五
「しかしその芸妓はあなたのために死んだのじゃありませんか」
「さあ……。一度に双方の旦那に義理を立てる訳に行かなかったからかも知れませんが。……しかし私ら二人の間に、どこへも行かないという約束はあったに違ないのです」
「するとあなたが間接にその女を殺した事になるのかも知れませんね」
「あるいはそうかも知れません」
「あなたは寝覚が悪かありませんか」
「どうも好くないのです」
元日に込み合った私の座敷は、二日になって淋しいくらい静かであった。私はその淋しい春の松の内に、こういう憐れな物語りを、その年賀の客から聞いたのである。客は真面目な正直な人だったから、それを話すにも、ほとんど艶っぽい言葉を使わなかった。
二十五
私がまだ千駄木にいた頃の話だから、年数にすると、もうだいぶ古い事になる。
或日私は切通しの方へ散歩した帰りに、本郷四丁目の角へ出る代りに、もう一つ手前の細い通りを北へ曲った。その曲り角にはその頃あった牛屋の傍に、寄席の看板がいつでも懸っていた。
雨の降る日だったので、私は無論傘をさしていた。それが鉄御納戸の八間の深張で、上から洩ってくる雫が、自然木の柄を伝わって、私の手を濡らし始めた。