후리가나로 읽는 일본 고전
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てつのきりつ
鉄の規律
平林 初之輔
平林 初之輔의 鉄の規律(てつのきりつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,016자 · 30화면
「僕は」七十六号が答えた。「もっと極端な場合を想像していたよ。中央委員長が僕の親父だったらどうだろうなどとね。それからもし僕が暗殺することを命令された当の相手が、僕の兄弟か、僕の妻だったらどうだろうとね。僕はぞっとしたよ。そういうことは実際ありかねないからね。君は仮に君の殺さねばならぬ相手が、君の恋人の父親だった場合にはどうするね? もちろんこれは君が若くて恋を知っている人間だと仮定しての話だが? その場合君は中央委員の命令に従うかね、それとも君の本能的正義感に従うかね?」
二百二十四号はマスクの間からじろりと相手を見た。
「そんなことは有り得べからざることだ」
「いや完全に有り得る、現に――」彼は急に何か思い出して口をつぐんだ。
二人が沈黙がちに、時々思い出したようにこんな話をしているうちに、時刻は刻々たって十一時になった。
ちょうど十一時二分前に、しずかに階段を上がってくる足音が聞こえた。二人は耳をすました。足音は彼らの室の前でぱたりととまった。そして微かなノックが聞こえた。このノックはもちろん党員の間にきめられた、独得のもので、それによって、すぐに相手が党員であるかないかがわかるようになっていたのだ。