일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면

아오조라 문고

(三一・五・二七)

*

この初旬、病後の初旅を吉野山へこころみた。ちょうど小説の執筆も近く義経と静の吉野隠れに入るので、史蹟歩きもすぐ役立つし、八年前、花は見ていたが、青葉の吉野山は初めてでもある。それと六月二日の大阪朝日会館における読者大会への出席をかね、奈良附近、吉野山、京都というスケジュールで六日間の旅だった。

同行は例のごとく健吉さん、社の方二、三氏、またこんどは自分が病後のため、特に女房を伴った。女房を連れると香屋子というのが手離せない。結局、女房子づれの史蹟歩きとなったが、もし霊あらば、静も義経も、子連れの私たちを、どんなに羨ましく見たろうか。私もまた、奥千本に近い子守ノ宮への嶮しい峰道を踏みつつ、想いを当年の美将九郎義経と薄命な麗人のうえに馳せずにいられなかった。

「あの人とここで別れぬあの人とここで逢ひたる夏木立かな」たれかの、そんな歌も思い出される。

大物ノ浦の遭難後、追捕の兵に追われて、吉野の奥にかくれ、そしてまた、別れるまでの約七日間、二人は完全に二人だけで、世外の山院へ身を潜めていたのである。――後、静は捕われて鎌倉へ曳かれ、鶴ヶ岡神前の舞で気を吐くが、そのときすでに妊娠っており、十ヵ月目に初産する。