후리가나로 읽는 일본 고전
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
永井 荷風의 雨瀟瀟・雪解 他七篇(あめしょうしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,414자 · 289화면
燈火の光に代って蒼々とした夏の夜の空には半輪の月。行手の岸には墨絵の如くにじんだ首尾の松。国貞は猪口を手にしたまま、
「唐崎の松は花よりおぼろにて。」と感に堪えたる如く呟いた。
「御府内には随分名高い松の木があるようで御座いますがやはりあの首尾の松に留めを刺しますかな。」と答えたのは鶴屋喜右衛門である。
「さよう、小名木川の五本松は芭蕉翁が川上とこの川しもや月の友、と吟じられたほどの絶景ゆえ先ず兄たりがたく弟たりがたき名木でしょう。それから根岸の御行の松、亀井戸の御腰掛の松、麻布には一本松、八景坂にも鎧掛の松とか申すのがありました。」と国貞は鶴屋の主人と差向って頻に杯を取交していた時、行き交う一艘の屋根船の中から、
「月あかり見ればおぼろの舟の内、あだな二上り爪弾きに忍び逢うたる首尾の松。」と心悪いばかり、目前の実景をそのまま中音の美声に謡い過ぎるものがあった。
先ほどから舳へ出て、やや呑み過ごした酔心地を得もいわれぬ川風に吹払わせていた二人の門人種員と仙果は覚えず羨望の眼を見張って、過ぎ行く舟の奥床しくも垂込めた簾の内をば窺見ようと首を伸したが、かの屋根船は早くも遠く川下の方へと流れて行ってしまった。