후리가나로 읽는 일본 고전
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면
事件が解決したその翌日、彼はトランク一つを提げて、上野駅から汽車に乗った。新聞記者責めのホテルを逃げ出して、たった一人になってゆっくり休息したかったのだ。彼を主賓とする警視総監主催の祝賀会さえ断った位だ。
何という訳もなく、湖がなつかしくて、中央線のS駅まで切符を買ったが、あとで考えて見ると、これが既に、彼が「魔術師」事件に引入れられる第一歩であったとは、運命というものの気味悪さ。
Sに着くと、聞き覚えていた、湖畔のホテルへ、いきなり車を命じた。
秋の湖は、青々とした大空を映して、ほがらかに晴れ渡り、朝夕はやや小寒い気候が、明智の疲れ切った五体に、云うばかりなく快かった。ホテルの部屋も、部屋ボーイの山出し女も、日本風の浴場も、長い間不自由な外国の生活を送って来た彼には、凡て凡て好ましいものばかりであった。
彼はホテルの十日間を、何の屈託もなく、腕白小僧の様にほがらかに暮した。ホテルのボートを借りて湖水を漕ぎ廻るのが日課だった。ある時は同宿の誰彼の可愛らしい子供達をのせては、彼の少年時代の「風と波と」の唱歌を、声高らかに歌いながら、鏡の様な水面に、サッサッとオールを入れた。