후리가나로 읽는 일본 고전
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면
と、二郎は曖昧に言葉をにごしてしまったが、犯人の魔手が、玉村一家を呪う余り、その一員である彼の恋人にまで及んで来たかと思うと、怪物の心理の、底知れぬあくどさに、奥歯がギリギリ鳴って来るのをどうすることも出来なかった。
彼は父善太郎氏を始め、まだ邸内に警戒を続けていてくれた警察の人々に、この由を伝え、洋子が帰宅する際には、厳重な護衛をつけて貰う様に取計らった。
ところが、その相談を済ませて、父の書斎からホールへ出て見ると、ついさっきまでそこにいた洋子の姿が消えていた。彼女と話していた兄の一郎丈けが、一人ぼんやり佇んでいる。
「洋子さんは?」
「君の部屋へ行ったんじゃないかい」
「僕の部屋へ?」
二郎はもう唇の色をなくして、自分の書斎へ飛んで行った。誰もいない。廊下へ出て、「花園サーン」と呼んで見たが、答えはなくて、何事が起ったのかと、召使達が集って来るばかりだ。
二郎は気違いの様に、門へ走って行って、そこに立番をしていた書生を捉えた。
「花園さんが、ここから出て行くのを見なかったか」
と尋ねると、半時間程誰も通らぬとの答えだ。
そこで、召使や刑事達と手分けして、邸内隈なく探し廻ったが、恋人は蒸発してしまった様に、どこにもその姿を見せなかった。