후리가나로 읽는 일본 고전
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 三悪人物語(さんあくにんものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,990자 · 58화면
「つまりこれは徒労ですな、ちょっと待ってください」彼はこう云って指を立てた、「あのぺてん師は五枚ずつ紙に包めと云いました、ということは、五枚ずつ紙に包むことならできる、という理屈ではないでしょうか」
「おめうめ」中将が叫んだ、「そのこた、またくだ、いちえだ、すぎやてみよ」
中将は直ちに紙を取った。そしておそるおそる五枚ずつ重ねてある小判へ手を出した、熱くない、紙へ載せて包む、ちゃんと包める、中将は盟友の顔を見た、「こんてだ、へへへ、ばんぜだ」権頭も杢も坐り込んだ、「もでじょぶだ、こやて、あとさらてけばい、へへへばんぜだばんぜだ」三人は勇気千倍して包み始めた。
彼らの純一熱心な作業はまる三日続いた。この七十二時間は他の場所においても貴重な意味ふかい七十二時間であった。すなわち奉行役所の筆頭与力である蓑賀参蔵殿は、例の「誰が袖」のひと間でしばしば商談をした、相手は大阪のさる富商の手代で、両者の取引には虚々実々の応酬があり、お互いにお互いを「はめてくれた」と思うところで手がうたれた。手代は内金として壱万両の為替を切り、蓑賀殿は引き渡すべき物資の品数と倉出し証明書を呈出したうえ、商談成立を祝って盛大な酒宴を張った。