후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃんはい
上海
横光 利一
横光 利一의 上海(しゃんはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,628자 · 292화면
参木は彼女の傍へ近よることが出来なかった。彼はただ寝台の上から、お杉の倒れた背中のひくひく微動するのを眺めていた。彼は生毛の生えているお杉の首もとから、黒い金魚のようななまめかしさを感じて来た。彼はちかぢかとお杉の首を見ようとして降りていった。しかし、ふと彼は、お柳がどこからか覗いているのを嗅ぎつけると、また首をひっ込めた。
「おい、お杉さん。こっちへ来なさい。」
彼はお杉の傍へ近よると彼女を抱きかかえて寝台の上へ連れて来た。お杉はすくみながら寝台の上へ乗せられても、まだ背中を参木に向けたまま泣き続けた。
「おい、おい、泣くな。」と参木はいうと、ひとり仰向きに寝ころんで、また楽しむようにお杉の顔を眺め始めた。
お杉は一寸参木の片手が肩へ触れると、「いやだいやだ。」というように身体を振った。が、彼女は寝台から降りようともせずに、袂を顔にあてて泣き続けた。参木はお杉の片腕を撫でながら、
「さア、俺の話を聞くんだぜ。良いか、昔、昔、ある所に、王様とお姫さまとがありました。」
すると、お杉は急に激しく泣き出した。参木は起き上ると眉を顰めたまま、寝台から足をぶらぶらさせて黙っていた。