후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃんはい
上海
横光 利一
横光 利一의 上海(しゃんはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,628자 · 292화면
そのとき、宮子は山口がしたように、急に甲谷の耳もとで小声でいった。
「あなた、ちょっと、あそこに芳秋蘭が来ているわ。」
甲谷は山口にいわれたまま忘れていた女のことを思い出して振り返った。だが芳秋蘭の姿はもう廻る人の輪の中に流れ込んで見えなかった。
「君、その芳秋蘭という女の方へ、僕をひっぱっていってみてくれないか。さっきも山口がその女の事をいってたが、何んだ。」
宮子は甲谷を引いて逆に流れの中を廻っていった。甲谷はあれかこれかと宮子の視線のままに首を廻わしているうちに、不意に背後の肩の中から、一対の支那の男女の顔が現れた。甲谷は吹かれたように眼を据えると宮子にいった。
「あれか。」
「そう。」
甲谷は宮子を今度は逆に引きながら、芳秋蘭の後から廻っていった。すると、くるくる廻るたびごとに、芳秋蘭の顔も舞いながら、男の肩の彼方から甲谷の方を覗いていた。甲谷はその美しい眼前の女性を、自分の兄の高重も知っているのだと思うと、かすかに微笑を送らずにはいられなかった。しかし、秋蘭の眼は澄み渡ったまま、甲谷の笑顔の前を平然と廻り続けて踊りが終んだ。――歌余舞い倦みし時、嫣然巧笑。