후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃんはい
上海
横光 利一
横光 利一의 上海(しゃんはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,628자 · 292화면
秋蘭との距離がだんだん拡がっていった。甲谷は再び振り返って秋蘭を見た。だが、そのときには、もう秋蘭の姿は見えなくて、アカシヤの花蔭に傾いた青い壁が、瓦斯燈の光りを受けながら蒼ざめて連っているのが眼についただけだった。
山口はもう甲谷の帰りが待ちくたびれて、ホールから外へ出た。金色の寝台の金具、家鴨のぶつぶつした肌、切られた真赤な水慈姑、青々と連った砂糖黍の光沢、女の沓や両替屋の鉄窓。玉菜、マンゴ、蝋燭、乞食、――それらのひっ詰った街角で、彼はさてこれからどこへ行ったものやらと考えた。すると、トルコ風呂で背中をマッサージしてくれるたびに、いつも羞しそうに頬を赭らめているお杉の顔が浮んで来た。数々の羞を知らぬ放埒な女を見て来続けている山口には、お杉の滑らかに光った淡黒い皮膚や、瞼毛の影にうるみを湛えた黒い眼や、かっちり緊った足や腕などは、忘れられた岩陰で、虫気もなくひとり成長していた若芽のように感じられた。
――しかし、待てよ、あの女を嗅ぎつけてるのは、まさか俺だけじゃないだろう。――
山口は早くお杉を見に行こうと急に思い立つと、立ち停って顔を上げた。