후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
三
三
上武製粉株式会社総務部勤務兼熊谷工場営業部長という肩書をもらつて、再び京野等志がサラリーマンの生活にはいつたのは、それから一週間目であつた。
勤務先としては途中に時間を食われ、帰りは上野に着くと、もうぐつたりするような日が多かつたけれども、彼は苦情を言わないことにきめた。月給八千五百円、袋のまゝ母に預けて、いるだけ貰うというやり方にしてみた。別に損得を計算しての上ではないが、やつてみると、母はそれがうれしそうである。
工場は熊谷の町はずれにあつた。古い建物を改造し、それにバラックを建て増した、見るからに間に合わせという風な工場であるが、小口の注文が案外多く、機械を休める所がないくらいの繁昌ぶりで、経営次第では、中工業としての基礎を早晩固めることができそうに思われた。第一に腰を据えてかゝらねばならぬ対労組の問題も、こゝではまだ初歩の動きが見えだしたくらいで、これも、彼としては、健全な指導者に一切を委せるか、自分が矢面に立つて攻勢の先手をうつか、どちらかに肚を決めるつもりであつた。
同僚は工場長の牧田と工務部長の菱刈、あとは、彼の下に会計と庶務を分担する菅老人と市田青年とである。