후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
新しい新聞紙を箱の底に敷きかえて、青い菜っぱと水をやると、縁側の空気まで清々しくなる。妻は気持よさそうにそれを眺めた。
春さきになると、雌はよく水を浴びるようになったが、雄の方はひどくぎこちない姿で泊木に蹲ったまま、てんで水など浴びようとしなかった。それを妻は頻りに気にするようになっていた。と、ある朝、この雄は泊木から墜ちて死んでいた。
その後、一年あまりは残された雌だけを飼いつづけた。この雌は箱の中から、遠くに見える空の小鳥の姿を認めて、微妙な身悶えをすることがあった。私たちが四五日家をあけなければならなかった時、餌と水を沢山あてがっておいた。帰って来て早速玄関の箱の中を覗くと、このカナリヤは無事で動き廻っていた。
ある秋の夜、妻は一羽の雄をボール凾に入れて戻って来た。ボール凾から木の箱へ移すと、二三度飛び廻ったかとおもうと、咽喉をふるわせて囀りだした。電灯の光の下で囀る雄と、それを凝と聴きとれている雌の姿はまことにみごとであった。こんどの雄は些も危な気がなかった。産卵期が近づくと、棉を喰いちぎって巣に持運んで行く雌を、傍からせっせと手助けするのであった。