후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
葡萄の朝
菓子
が、その花を持って家に帰る途中、自転車の後に同じ吾亦紅と薄の穂を括りつけてゆく子供の姿をふと見かけた。お月見も近いのだな、と私はおもった。
葡萄の朝
私は青白い中学生だった。夏が来ても泳ごうとはせず、二階に引籠って書物を読んでいた。だが、そうした憂鬱の半面で、私のまわりの世界は、その頃大きく呼吸づき、夏の朝の空気のように清々しかった。
家の裏には葡萄棚があって、凉しい朝の日影がこぼれ落ちている。私はぼんやりその下にいた。すると、ふと、その時私は側にやって来た近所の小父の声で我にかえった。
「少しは水泳にでも行ったらどうだね。この子を見給え、毎日泳いでるので、君なんかよりずっと色黒だ」
そう云われて、彼の側にくっついていた小さな女の児は、いま私の視線を受け、羞みと得意の表情で、くるりと小父の後に隠れてしまった。
ある朝の、ほんの瞬間的な遭遇であった。その少女が、私の妻になろうとは、神ならぬ私は知らなかったのだ。
菓子
ある夕方、妻はぐったりした顔つきで、「お菓子が食べたい」と云った。その頃妻は貪るようにものを食べるのであったが、どうも元気がなかった。いつも私は教員室で先生たちが「せめて子供に、大福をもう一度食べさすことが出来る日まで、生きていたいものだ」