일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

その円屋根の珍しい建物は、まだあまり大きな建物の現れない頃のことで、静三の家の二階の窓からも遥かに甍の波のかなたに見えるのだったが、その左手に練兵場の杜が見え、広島城の姿もあった。その年の秋、御大典祝の飛行機が街の上を低く飛んで行った。父はフロックコートを着て、紀念の写真を撮った。その写真は父の死後引伸しされて、仏間の長押に掲げられたのだった。――その翌年、父は療養のため長らく旅に出ていたが、家に戻って来ると間もなく病態が改まった。それは応接室の屋根に積った雪がいつまでも凍てついている頃のことだった。

父の葬儀が済むと、お供に持込まれていた俵の米を、街の貧窮者に頒けることになった。市から配られた引換券と米袋を持って、そこの店先には佗しそうな人たちが入替り立替り現れた。店先では、店員たちが米俵を解いては、馴れない手つきで米を測っていた。これは父の遺言によって行われたのだが、その情景は何となく目に泌みるものがあった。店の奥でこれを眺めていた叔父がふと感に堪えないように云った。「義挙だな、これは」叔父はかなり酔っているようであった。「これは新聞社へ知らせてやろう」