일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まど

堀辰雄集 新潮日本文学16

堀 辰雄

堀 辰雄의 堀辰雄集 新潮日本文学16(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,906자 · 119화면

아오조라 문고

爺やたちも私があんまり所在なさそうにしているので陰では心配しているらしかったが、私自身にはそうやって病後の人のように暮しているのが一番好かった。私はときどき爺やの留守などに、お前の部屋にはいって、お前が何気なくそこに置いていった本だとか、そこの窓から眺められるかぎりの雑木の一本々々の枝ぶりなどを見ながら、お前がその夏この部屋でどういう考えをもって暮していたかを、それ等のものから読みとろうとしたりしながら、何か切ないもので一ぱいになって、知らず識らずの裡に其処で長い時間を過していることがあった。……

そのうちに雨が漸との事で上って、はじめて秋らしい日が続き出した。何日も何日も濃い霧につつまれていた山々や遠くの雑木林が突然、私達の目の前にもう半ば黄ばみかけた姿を見せ出した。私はやっぱり何かほっとし、朝夕、あちこちの林の中などへ散歩に行くことが多くなった。余儀なく家にばかり閉じこもらされていたときはそんな静かな時間を自分に与えられたことを有難がっていたのだったけれど、こうして林の中を一人で歩きながら何もかも忘れ去ったような気分になっていると、こういう日々もなかなか好く、どうしてこの間まではあんなに陰気に暮していられたのだろうと我ながら不思議にさえ思われてくる位で、人間というものは随分勝手なものだと私は考えた。