후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
亀井 勝一郎의 大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,647자 · 215화면
右のこぶしで下からぐっと抑えられた顎の二重の筋肉には、何か強烈な苦悩が宿っているように思われる。これが西洋の思索する姿の典型というものだろうか。ほのぼのと匂うがごとき瞑想の面影はどこにもみられぬ。峻厳な論理を追求して身も世もあらぬ苦しみの態だ。しかし飛鳥の思惟像には、思惟することによる受難の表情は微塵もない。豊頬をもつ美少女のごとく、口辺には微笑すら浮べている。この差異はどこから来るのだろうか。思惟の対象に深浅があるわけではない。どちらもその眼差の前方に流転しているのは凄惨な地獄である筈だ。
「我を過ぎて憂愁の都へ、我を過ぎて永劫の憂苦へ、我を過ぎて滅亡の民へ……一切の希望を棄てよ、汝等ここに入る者」――この地獄篇の歌が「考える人」に余韻しているとすれば、わが如意輪観音の裡にも「諸々の子等は火宅の内に嬉戯に楽み著みて、覚らず、知らず、驚かず、怖れず。火来りて身に逼り、苦痛己を切むれども、心に厭ひ患へず、出でんことを求むる意無し」という火宅無常の憂いの声はひそんでいる筈である。しかも西洋は、その思索に全身を焼く人間をそのままに追求するのに対し、わが古人は、むしろこれを内に抑えて、人間を超えた悲愍の微笑をもって有情の救いの手をさしのべる仏を念じたのである。