후리가나로 읽는 일본 고전
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
室生 犀星의 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,454자 · 357화면
ひとり唄えば、ひとり弾きながら、
洋燈さん、わたしあなたに、
ほやほや惚れた――
心のあるのを見て惚れた――。
と、悲しげな皺枯れ荒んだ声でうたうのである。かれは、三人ともみな魚のような大きな口をあけて、うすぐらい室でうたい出すのをきいていると、本願寺の境内のくらやみや、公園の隅隅、それから町裏などに歌ってる帽子をも冠らない浮浪人のむれを思い出すのであった。その声は、変に破れて浮ずったような喉声で、永くきいているとひとりでに心が荒みながら沈んでゆくような気がするのである。わけても折釘にぶら下げた垢まみれの着物やシャツや帽子や、蠅の糞でくろずんでいる天井、すぐ窓さきに隣の厠にひきつづいた湿っぽい腐った板囲い、それから次第に天井の方へ這いあがってゆく一くれの日かげの寂しさ、そういうものが悉くかれの声音とよく調和されて何時までもつづくのであった。
ほやほや惚れた、れた……
と、きいきい軋むヴァイオリンが、同じメロディを幾度となく繰りかえされながら、うたわれるのであった。
かれは、歳太郎が手に持っている薄い印刷物を借りてよむと、そこには小唄が十種ばかり書いてあって、定価がつけられてあった。