후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
敵にのみ気をとられていた毛利勢は、繋綱を切って、友軍の火の船を、まず先に避けねばならないことを忘れていたのである。
(よし引き揚げろ)
燃えさかる数艘の巨火へ、さらにさんざん矢や小銃をうち浴びせて、九鬼船隊はすばやく淡の輪方面へ逸走した。――毛利方の水軍は、してやられたりと憤って、
(多寡のしれた伊勢や熊野の漁夫兵、大国毛利の水軍の面目にかけても揉み潰せ)
と、残余の大船小舟をととのえて、堂々たる船陣をつくり、淡の輪の海上へ追いかけて行った。
物見の舟を放って、とつこうつ敵船をさぐっているうちに夜があけた。朝霧のあいだに双方の石火矢や銃火がかわされ出した。すると、思いもうけぬ方から霧を破って、またべつな一船隊が毛利方へ迫撃して来た。その旗艦らしい一艘には、あきらかに滝川左近将監の旗じるしが望まれた。何ぞ知らん伏勢があったのである。
九鬼右馬允の乗っている大船には、熊野権現の大幟と日の丸がひるがえっていた。名づけて日本丸とよぶそれは、胴の間七間縦十数間という熊野船だった。
荒浪の中を乗りまわし乗りまわし、鯨のように日本丸は暴れまわる。近々と寄せては、敵船へ松明を投げこみ、退いては、大鉄砲をうちこむのだった。