후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
ふたりは、そう解して、悲涙にくれたが、於松はすこしも頓着なく、白装束を着て、その上に、それだけは華やかな赤地錦の陣羽織に、唐織の袴をはいた。
白い小袖の上に重ねた赤地錦が、いとど美しく見えた。また、その紅顔の粧いが、さらに二臣の涙をそそった。身ぎれいにすると、二臣に連れられて、於松は、竹中半兵衛の部屋へ行った。半兵衛はすでに立つばかりに支度して、彼を待っていた。
立ち振舞――と称して、極く内輪だけで、小酒もりが交わされた。
「御飯をたくさんに食べて行かれよ。馬でも、旅は腹のすくもの」
と、半兵衛にいわれて、
「はい。ではもう一膳」
と、於松は元気に食事をすまし、飽くまで機嫌よく、家臣の泣き顔などは、まったく眼もくれずに、
「さ。参りましょう」
と、二度も半兵衛を促した。
「行って来るぞ」
半兵衛は、ようやく立った。――立って座中の一族や旧臣を沁々と見おろしながら、
「あとは、頼むぞ」
と、いった。
後に思いあわせれば、あとは――といったこの短いことばの中に、彼の万感と、死後の委嘱は、すべてこめられていたのであった。
姉川の戦いにも、またその以後も、殊勲のあるたびに竹中半兵衛は信長から幾度となく、恩賞も授かっているし、目通りも得ている。