후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
こんな物まで夫人はいつのまにか支度しておいたものとみえる。白木の三宝の土盃を、黙然と、勝頼にすすめた。
勝頼は手にとった。そしてまず飲んで、嫡子の太郎信勝にわたした。次に、夫人とも酌みわけた。
「殿。土屋の兄弟たちにも、おながれを……。土屋、この世のおわかれ、今のうちに申しあげよ」
これも夫人の心遣りであった。
近習の土屋惣蔵は、その弟ふたりと共に、実によく忠勤を励んでいた。兄の惣蔵は二十七、次の弟二十二、末の弟十九。兄弟一致して、新府落去からここまでの途々悲運の主君を守って、涙ぐましいばかり仕えて来た。
「これで、思いのこすこともありません」
いただいた盃を乾すと、兄の土屋惣蔵は、にことしながら弟たちを顧みた。そしてまた、勝頼夫妻に向って、
「このたびの御悲運は、まったく御内方の一族に、離反があったためによる。殿にも、御台所様にも、こうしておいで遊ばす間も、人の心は知れ難いものと、定めし恟々と、安きお心地もないでしょう。……が、そうした人ばかりがおる世の中でもありません。せめて、御最期の一刻だけでも、ここにいる者はみな一心同体ぞと、人を信じ、世を信じ、お潔く、また安らけく、死出のお門立ち遊ばしませ」