일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면

아오조라 문고

「行き届いたことよ」

と、道中から宿舎まで、隈なく心入れの行き渡っていることを、徳川家の家臣へ、褒めたたえた。

事実、こんどの事に、徳川家康が頭をつかっていることは、なみたいていなものではないらしい。何せい、信長のきげんをとり結ぶのは難しい。まして、満足を感ぜしめるなどは、よほどでなければ求められない。

だから、きょう一日の道中を振り返ってみても、道の悪い所は、石を除き、樹を払い、橋はすべて新しく架けかえてあるし、山坂は土をならし、谷へ降りれば、谷間に茶亭が造られてあり、峰へ登れば、見晴しを計って、お茶屋の設けが待ちうけ、彼処では、里の女が茶を献じ、ここでは思いもうけぬ美人が、山の物を料理し、風光を景物に、一献進上のもてなしがあるなど、かりそめにも一日中の旅を飽かしめないように、あらゆる気心が配られていた。

北条氏政が、苦労して、武蔵野の雉子や、相模の名馬をあつめ、これをうやうやしく献上に出ても、

(気にいらぬ)

とばかり、目にも入れず突っ返したほどな、大ざっぱかと思うと、道々の箒の目にも、宿舎の手洗鉢にたたえてある水にも、真心があるかないか、ひと目で知ってしまう信長の眼であった。