후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
などと徒らにこの周章えを周章えまいと自重していた。
兎でも追っていたか、彼方此方を、自然の児となって、縦横に跳びまわっていた騎馬の小姓衆は、どこかで、
「おおういッ……」
と呼ぶ声に、ふと、眸をその方へ放ってみると、自分らの仲間とも思われぬ絢爛美衣の一貴人が、鞭をあげてさしまねきながら、裾野を横に駈けてゆく。
「あッ。良い馬だな」
「誰だろ」
「迅いはず。馬も良いはず。お上だッ」
「なに。御主君か」
天を翔けてゆくような鞍のうえから、信長は此方へ向って、遠い声を張りあげていた。
「小姓ども、小姓ども。追いついてみよ。われと思うものはつづいて来い」
聞くやいな、小姓たちは、
「なにくそ。馬は劣っても、手綱にかけては、負けるものか」
草埃りを蹴たてて、われがちに、信長一騎を追いかけて行った。
上野ヶ原、井手野、富士の裾野の平らかな限りを、駈けに駈け、狂いに狂いして、馬も信長も、汗みずくに濡れた。
「ああ、爽やか」
燃えたつ汗の気とともに信長は空を仰いで云った。甲州在陣中、何か生理的に鬱屈していたものが、はじめて発散したように快適を覚えた。風邪気の微熱が除かれたように軽々した。