후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
「春から夏の四、五月。秋の末の九、十月頃には、毎年こうして、山登りを欠かしたことがない。この峰谷谷には、本草のなかでも貴重な薬種が勿体ないほどたくさんあるのでな」
と、遠くにひかえている供の一人をさし招いて、携えている籠の内から、
「これは、山うずら。これは、あけぼの草。これは、錦ごろも。これは、菊ごけ。これは、なるこ百合……」
と、採取した百合科や龍胆科や蘭科植物などの薬草を種々そこへ取り出して、その医効を説明したり、また本草の由来を聞かせたりして、
「信長公は何事にも、新しいもの好きでいらっしゃるし、わけて海外文明には、鋭感なお方なので、安土の南蛮学校にいる紅毛人の医師に命ぜられて、伊吹山のふもとに、薬園をもうけられ、西洋薬草を七、八十種も植えおかれておらるるが、何もそうまでせんでも、この叡山だけでもまだわれらの眼に見出されぬ深秘の薬種がどれほどあるかわからない。かつてこの山の聖が、眼にふれた千種の薬を百首の歌に詠み入れた『天台採薬歌』という冊子が中堂に所蔵されていたと聞いたことがあるので、ぜひ一覧したいものと思うていたが、そのうちにあの元亀二年の兵燹で、かくの如くみな焦土となってしもうた。