후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
……かえすがえすもその『天台採薬歌』を見ずにしまったことだけは、今もって残り惜しい気がしてならぬ」
と、語り来って語り飽きない道三であったが、ただ終始沈黙がちであるばかりか、はなしの間にも、どこかに空虚の窺える光秀の容子にだけは、彼も時折気にかかってならないらしく、その横顔へ、しばしば医家らしい眼をそそいでいる。
で、話題はまた、いつか光秀の健康に及んで来て、
「光春殿から伺えば、日向殿には、近日、中国へ御出陣とのこと。よほどお体を大事にお保ちあるように。人間五十をこえると、いかにお丈夫でも、自然の生理は否み難く、いろいろな変革が体に起る大機でもありますからな……」
と、ことば以上、憂いをふくめて、くれぐれも注意した。
「そうでしょうか」
光秀は、強いて一笑に附しながら、道三の注意へ他人事のように答えた。
「先頃、かろい風邪気味ではありましたが、生来強健のほうでべつにこれという病も覚えませんが」
「いや、そうもいえない」
道三は、自家の医学と体験の権威をもって、それを否定した。
「病を病と自覚している病人はつねに意を用いているからまだよいが、あなたのように無病を過信していると、まま大きな過ちに陥る。