후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
こういう気転と、使うに物柔らかなことが、つい側へおく人間には程よいので、いつか十数年も使い馴れたが、見遣りながら、
「いや、庭へ出るのではない。措け、措け」
と、控えさせて、
「暑かったのう、今日は」
「まことに照りつけました」
「厩の馬はみな元気か」
「馬も少々弱り気味です」
「そうだろう。蜀の劉備ではないが、信長の髀肉もすこし肥えたからの」
と、ふと中国の空でも遠く思いやるか、夕星仰いで深い眼を澄ましていた。
蘭丸は何ということもなく、信長のその横顔をじっといつまでも仰ぎ見ていた。信忠もうしろに来て佇んでいたが、その人のあるも忘れて眺めていた。あたかも今生の名残のように。
もし彼の霊能がその霊に自覚を持っていたならば、その時のふしぎな心理と、何ものか肌にそそけ立つような感じを、特にもっと意識してみたであろう。後に時刻をかがなえば、まさにその頃、明智光秀の軍は篠村八幡を出て、老坂の麓あたりへ来ていた時分であった。
大台所から吐かれる夕煙が寺内にたち籠め始めた。一切の煮焚から炊ぎや風呂も薪である。宵にかかる前の一刻はここばかりでなく洛中洛外が炊煙をたなびかせているのだった。