후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
焔々、馬も人も、その喘ぎに燃えてゆく。大枝の山間を繞りまた降って、淙々と聞く渓流のすぐ向うに、松尾山の山腹が壁のように迫って見えたときである。
「やすめ」
「腰兵糧を解け」
「馬にも草を飼え」
「火は焚くな」
令から令が伝えられて来た。
ここはまだ山腹の沓掛の部落である。僅か十数戸の山樵や炭焼の小屋があるにすぎない。にもかかわらず、中軍の警戒は甚だきびしく、麓の方にも、過ぎて来た道の方にも忽ち哨戒隊が配置された。
「どこへ行くっ」
「水を取りに渓へ降ります」
「隊伍を離れてはならぬ。他の者の竹筒から貰え」
崖道でこんな声もする。
士卒は腰兵糧を解いて黙々それに向い始めたが、口に噛む間の私語がだいぶ聞える。この山中で時ならぬ腹拵えは何のためだろうと怪しみ合うのであった。すでに夕方篠村八幡を立つ折に一食は解いてある。
なぜ山崎なり橋本なりで、夜も明けた頃、人里で馬を繋いではいけないのか。
彼らにはその疑いが解せないと共に、どこまでも今なお中国へ向うのだという気持そのままでいたのだった。――なぜならば中国道には、老坂の分れに限らず、この沓掛からも、右折すれば、大原野を経て山崎、高槻へ出ることはできるからであった。