후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
部屋部屋を逃げまどい、廊を奔り欄を越えなどする彼女らの狂わしい裳や袂は、その暗澹を切って飛ぶ白い火、紅の火、紫の火にも見える。
そしてそこらの蔀にも柱にも欄にも、矢や弾丸の来ない所はない。すでに信長が広縁の一角まで出て射戦しているので、その姿に集注してくるものが奥へ外れて来るらしかった。
「匹夫が」
と、一矢を放ち、
「推参な」
と、眦を切っては一矢を射る。――その信長の戦いを見ては、怖ろしさに、自分を見失っている女たちですら、ここを落ちて行くにも行けない気がして、声かぎりに哭くのであった。
――人間五十年、化転ノウチヲ較ブレバ、夢幻ノ如クナリ。とは、彼が好きな小唄舞の一節であり、若年に持った彼の生命観でもある。彼は決して、今朝の寝ざめを、天変地異とは思っていない。人間同士のなかにはあり得る出来事であり、それが今や、自分の前に来ているという観念でしかない。
とはいえ、彼は、はやくもその観念の眼をふさいで、
(もうだめだ。最期だ)
とはしなかった。むしろここで死んでなろうかという猛気に燃ゆる戦いぶりであった。生涯の大業としている胸中の理想はまだ半ばも遂げていないのである。