후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
美濃部十郎はそんなことを語りながら先に立った。日頃でも敵の中に半分、味方の内に半分、両棲を常としている伊賀、甲賀の者は、すこしも敵地深く入って来たというような危惧を持たないもののようである。坦々たる自分の家の庭でも歩くように攀じのぼって行く。
搦手に北之門がある。
裏山の絶壁と、その門とのあいだに、細長い谷が繞っていた。もちろん人工の空壕である。
虎之助と、伊賀、甲賀の者は、その底を這っていた。
「大将」
十郎はまた虎之助の耳元へ口をよせた。息子のような若い虎之助に向かって、飽くほど戦の場数を踏んで来た老甲賀武士が、わざとそう呼ぶことばの中には、単なる敬称ともちがう子ども扱いに似た揶揄がいくらかふくんでいた。
「あなたは、ここにおればよい。敵城の中というものは、よほど胆がすわって来ないと、どんな小城でも、勝手のわからないものだ。どうしたって、逆上ってしまいますからな」
「…………」
「いくら巧みに忍びこんでも、ひとりが中でどじを踏むと、全体の者が、動きがとれなくなる。足手纒いだ。それにあなたは、今夜の大将だから、これにいて、吉左右をお待ちくだされば、それでよい。