후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
船長の好意で甲板の片隅に花茣蓙が敷かれた。
みんな車座になると疋田麓が大事そうに持ってきた一升徳利を膝の上で撫で廻した。そのとき月はちょうど船の真上にあった。――光の反射をうけた雲が月とすれすれに流れてゆく。
来島が片手をマストにかけ、蹌踉として立ちあがった。
「よう来島調!」。
と、玉井がどろんとうるんだ瞳をあげて叫んだ。恒喜は右手で袴の結び目をおさえ、左手を脇腹にかけながらぐっとうしろへ反りかえった。しばらく眼を瞑じ心をしずめるもののように唇をしっかりと結んでいたが、やがて、かすかに眼をひらいたと思うと、
「風蕭々として易水寒し、――」。
低い声でうたいだした。同志のあいだの通り言葉になっている「来島調」は最初の一句の終るところから急に高まって、第二句の「壮士」――で、ひと息入れるのが自然に一つの型をつくっていたが、来島は一句の切れるところで言葉を途切らしたと思うと、そのまま苦しそうに唇を噛んだ。胸がこみあげてきたのである。
博多の灯はまだほのぼのと空に漂っている。――生きてふたたび見ようとする故郷ではない。来島はうしろのマストへ左肩をそびやかしながら凭れかかった。