일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면

아오조라 문고

言葉は明瞭ではないが、紛れもなく変事を知らせる響きをもっていた。列座の人たちの中で、まっさきにそれと気づいたのは、久世大和守である。大和守は雅楽頭を見た。雅楽頭はまったく平静なようすで、なぜ審問が中止されたのかわからないという顔をしていた。

「なにかあったようですな」と大和守が強い声で云った、「表てのようです、みてまいりましょう」

大和守はなにかを直感したらしい。雅楽頭がとめようとすると、板倉内膳正も立ちあがって、自分もまいろう、と云った。それで、申次の大岡佐渡が慌てて座をすべり、二人の先に立って案内した。

甲斐は自分の頬に床板を感じ、自分がすっかりのびているのに気づいた。

――まだだ、死ぬのはまだだ。

まだしておかなければならないことがある。死ぬのはそれからだ。もう一つ、志摩にこのことを話さなければならない、米谷は即死らしいが、志摩の口が違うと困る。だがまず第一のことが先だ。甲斐は眼をあいた。眼をあけるだけでも、ひじょうな力が必要だった。傷の痛みはないが、躰力が残りなく消耗したようで、自分の席まで這い戻ることは、まったく不可能だということがわかった。