일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

吉川 英治의 治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,609자 · 362화면

아오조라 문고

弟子はないし先代の相槌だった村安は、上方へ行ってしまったし、やむなく百を、十歳の時から、江戸で四谷正宗といわれる新刀鍛冶では名人の山浦清麿の手もとへ、仕込に預けたのだった。

一時は、師匠の清麿からも、

(見こみがある)

と、手紙で、折紙をつけられたので、よろこんでいたが、八年目に、

(破門する)

と、突然、田無の家へ帰されてしまった。

何の罪で?

なんの理由で?

百にも、おしげにも、理がわからなかったのである。兄弟子たちは、出てゆく百へうしろ指をさして、手癖がわるいとささやき合った。

――後で聞けば、なんでも、その年の正月のこと。かれが、師匠の清麿について、本阿弥の招きで、両国の万八楼へ行った帰り途に、破門をくう、禍があったらしい。

清麿は酒によわい。その日は、悪酔をしたらしく、万八を出るとすぐ、苦しいといって、柳橋の鼓師、桜間八重吉の家へ、あわてて寄って、吐食したり、薬をもらったりして、一刻ほど、横になっていた。

ちょうど、柳橋の妓たちが、稽古に来あわせていて、そのうちの一人、二人は、清麿のなじみらしく、しきりに、介抱していてくれるらしいので、百は、べつな部屋で餅を食べて待っていたが、家に帰ってから気がついてみると、その日、本阿弥から取った百両の金が、清麿のふところから、紛失なっていた。