후리가나로 읽는 일본 고전
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
二葉亭 四迷의 浮雲(うきぐも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,980자 · 222화면
依て今までのお勢の挙動を憶出して熟思審察して見るに、さらにそんな気色は見えない。成程お勢はまだ若い、血気も未だ定らない、志操も或は根強く有るまい。が、栴檀は二葉から馨ばしく、蛇は一寸にして人を呑む気が有る。文三の眼より見る時はお勢は所謂女豪の萌芽だ。見識も高尚で気韻も高く、洒々落々として愛すべく尊ぶべき少女であって見れば、仮令道徳を飾物にする偽君子、磊落を粧う似而非豪傑には、或は欺かれもしよう迷いもしようが、昇如きあんな卑屈な軽薄な犬畜生にも劣った奴に、怪我にも迷う筈はない。さればこそ常から文三には信切でも昇には冷淡で、文三をば推尊していても昇をば軽蔑している。相愛は相敬の隣に棲む、軽蔑しつつ迷うというは、我輩人間の能く了解し得る事でない。
「シテ見れば大丈夫かしら……ガ……」
トまた引懸りが有る、まだ決徹しない。文三周章ててブルブルと首を振ッて見たが、それでも未だ散りそうにもしない。この「ガ」奴が、藕糸孔中蚊睫の間にも這入りそうなこの眇然たる一小「ガ」奴が、眼の中の星よりも邪魔になり、地平線上に現われた砲車一片の雲よりも畏ろしい。
然り畏ろしい。